目頭切開術と平行型重瞼ライン
ここ数週間で立て続けに「眼頭切開術」の修正希望の患者さんがカウンセリングにこられました。いずれの患者さんも「切られ過ぎてしまった」とおっしゃいます。もうすでに何回も修正手術を受けている患者さんもおられました。
以前の記事で書きましたように、目頭切開をする前に切られ過ぎを防ぐためのチェックポイントはあるのですが、とにかく控え目な手術を心がけるに尽きると思います。そのためには「皮膚切除による目頭切開術」は特に要注意です。
それでもこういった事態が避けられないのは、なぜでしょうか?
そういった患者さんにお話を伺うと、目頭切開そのものに最初から希望があった、というよりは「平行型の二重」を希望するにあたって「眼頭切開」の必要性があるために目頭切開術をうけた、という患者さんが多いように考えます。
実際、私も平行型の二重を実現するために目頭切開をすすめることがあります。もちろんその時はovercorrectionに十分に気をつけて極力控え目にデザインをします。
この場合、目頭切開術の役割は目頭側の二重のラインをコントロールするための手術、ぐらいに考えた方が適切かもしれません。
それにもかかわらず、そういった患者さんががっちり「皮膚切開による眼頭切開術」をうけてしまった場合に「悲劇」が生まれるようです。
患者さんの持参する雑誌に載っているモデルさんの目元をみると、結構しっかり眼頭のヒダがあるにもかかわらずきれいな平行型の二重になっている人がいます。またそういった目元のモデルの人が結構人気があるようで、確かにそういったモデルさんの眼は「丸く」見えて優しい印象になっています。
その「二重」がどの患者さんにも実現できるかどうかは別にして、いずれにしても西洋人顔の目元とはまったくちがった平成時代の「嗜好」がそこにあることを、我々40~50代以上のどっぷり昭和のおじさん美容外科医(私を含めて)は、肝に銘ずる必要があります。