弘法は筆を選ばず、ですが・・
開業すると、手術に必要な器械をたくさんそろえる必要があります。開業時にほとんどの器械を購入していました。
その中に「持針器」といって、創を縫うときに縫い針を保持する器械があります。我々形成外科医にとっておそらく一番よく使う器械の一つです。
長年「ヘガール型持針器」を使用していました(下図左)。これはちょうど「はさみ」のような形をしていて使うときも鋏を持つように使います。開業した時もこれを数本買って使っていました。
ほとんどの形成外科・美容外科医にはこの形のものが一般的ですが、以前から何となく使いづらく感じていて、特に目頭切開術の時のように細かく縫合しなければならない時は、手のアクションが大きくなってしまって使いづらいと感じていました。
たまたま先日の学会の展示場でちがった形の持針器をみたのでこれを購入しました。これはちょうどお箸を持つように使います。形は微小血管を縫合するときに使用するものと似ています(下図右)が、この持針器だと逆に繊細過ぎて、皮膚を縫う針を保持できません。
今回購入したのは「チタン」でできていて材質が硬いので、皮膚を縫うことができるものです。これは「ヘガール」に比べるととても高価でしたが、使用感は価格に見合うもので細かく縫いやすいくとてもよかったです。
ヘガール型持針器 参考:マイクロ用持針器(実際はこれとほぼ同型でチタン製)