美容外科手術でトラブルを避けるために88

これから美容外科医として活躍しようと思っている若い医師がフェイスリフトでトラブルを避けるためにはどうしたらいいか。

解剖をよく勉強し、顔面神経麻痺を作らないように慎重に手術をして、たるみをしっかり引き上げた、症例を積み重ねた、さあフェイスリフトはマスターできた、といえるでしょうか。

もう一つ肝心な長期的な経過をフォローできたかどうか、それを行うにあたって一番重要なポイントはなんでしょうか。

それはずばり、経過写真を撮ることです。

患者さんを実際に診て経過を判断するのも大事ですが、より客観的に自分の手術の結果を知ろうと思うのであれば、経過写真を定期的に取らせていただいて分析することです。

いかに自分の手術の結果が、自分の期待している術後結果と程遠いものだということを思い知らされます。

術者にとっては非常につらいものですが、これを避けていてはフェイスリフトの実力は身につかないでしょう。

自分がいい手術をしていると思って何百例もフェイスリフトをしても術後経過写真の分析なくしてはなんの意味もありません。

もし美容外科医全員がこれを行っていれば、多くの医師がフェイスリフトの手術から手をひくと思います。

それは決して悪いことではなく、患者さんにとっては福音になるし、フェイスリフト手術に対する正しい認識を持っていただけることにつながると思います。

術後に、大なり小なりある意味「下がるしかないフェイスリフト手術」の道がいかに厳しいものか、といことを知ることがトラブルをなくす近道だと思うのです。