下眼瞼下制術 2
下眼瞼下制術について
この手術のかなめになる「CPF」と瞼板を正確に同定し縫合固定するのはなかなか難しいことだと書いてきました。
このステップをいい加減に行うと必ず術後の戻りがおきます。
この二つを容易に同定し術後の腫脹も軽減する方法は、平行に2か所の切開をおく、というやり方です。
どこを切開するかは前回の記事を読んでください。
そのあとでこれら平行の粘膜切開創の間の粘膜下を最小限剥離して縫合糸を通し、CPFと瞼板を縫合固定します。
その結果「 bipedicle mucosal flap(BMF)」ができることになります。
形成外科専門医であればすぐにイメージできると思います。
やってみるとあっけないほど簡単にそして確実に「下眼瞼下制術」を行うことができます。
結果的にできるこのBMFはそのまま浮いた状態にしていおいてかまいません。
切除する必要はありませんし、万が一元に戻す場合にこの粘膜が使用できるかもしれません。
この方法であれば、数か所を繊細に縫合固定することができるので下瞼の形を思うように調整しながら作ることもできると考えています。
この手術で安全確実に「たれ目」にして、術後1か月ぐらい経過を見て戻りがなければ皮膚側の余剰皮膚切除を行う、という従来の手順は守った方が安全です。