美容外科クリニックの経営その2
前回の続きです
3番のグループ開業医です。
腕に自信のある美容外科医とはいえ、最初に一人で独立開業するのは何かと不安なものです。
もちろん手術の中でも得意不得意があるでしょうし、息の合う美容外科医同士で開業するのは診療面でも経営面でもその都度相談ができるというメリットがあります。
最後に4番目の全国チェーン店のオーナーです。
全国展開のチェーン店オーナーは、医師というよりは完全なbusinessオーナーといえます。これにはオーナーの経営手腕が極めて優れていることが必須になり、必要とされるスキルの内容はマーケティング、広告戦略、顧客(患者)管理、労務管理など大企業並みになります。
以上、美容外科における4つの開業形態をみてきました。
ここでこれらの開業形態の違いについてもう少し考えてみましょう。
2と3の開業医は、ビジネス用語でいえばself-businessのオーナーで、基本的には同じ範疇です。
2から3へと移行しても美容外科医師として診療と経営を両立していくことができるメリットがありますが、全国に分院展開できるのはせいぜい5か所ぐらいです。
3には診療にこだわる美容外科医が多く、診療・経営理念の統一が困難でやがて分裂するかグループの形骸化がおきる可能性があります。規模が大きくなればなるほどそういったリスクが生じやすくなり、必然的にスケール拡大に制限がかかりどこかで頭打ちになります。
2,3と4には大きな違いがあります。不思議と4の医師は元々美容外科の手術は何もできないことが多く、だからこそ優秀な医師を雇い手術を任せきることができる点です。
クリニックの規模拡大には基本的に制限がありません。自身が診療に携わらないことが逆に大きなメリットになります。
自動車のフォードの創始者もそうであったように、自分ができないことは優秀な人を雇うことでカバーして企業を成長させるパターンです。
以上、簡単に経営形態で美容外科を見てきました。
以前に何度も書いてきましたが美容外科の診療には経営形態が非常に大きく影響を及ぼします。次回以降は診療からみた経営について書いていきます。