美容外科医になるためにその7~どの手術が必要になるか
形成外科にはいろいろな手術があり、その全部をマスターするには長い時間かけて研修する必要があります。
しかし美容外科医になるためであれば、その全部に精通する必要はありません。
美容外科医になるために、どうしてもマスターしておかなければならない手術手技を具体的にあげます。
まずは「眼瞼下垂」に対する「挙筋腱膜前転固定術」です。
今や、形成外科の看板手術として、どこの病院で研修していても経験できる手術です。
特に挙筋腱膜の解剖を正しく理解する、しかもこの際、幅広い年齢の患者さんの瞼の手術を経験し、若年者の腱膜と加齢変化を起こした腱膜の違いをよく見ておきましょう、それが後々美容外科医になった時のまぶたの手術に役に立ちます。
美容外科医になってスキルアップし、他院修正の手術を引き受けるようになった時、たよりになるのは挙筋腱膜に関する幅広い知識と手術経験です。
ただし、間違えてはいけないのは、老人の眼瞼下垂に対する手術と若い患者さんの瞼の手術は全く違う手術ですので形成外科時代の感覚で若い人の瞼の手術をしてはなりません。
美容の手術はやはり見た目の改善を目的に手術を考えなければトラブルになります。
このあたりが、形成外科の手術は美容外科の手術にとって、必要条件であるものの十分条件ではない、という具体的な事例です。
他にも必要条件になりうる手術を今後少しづつ挙げていきたいと思います。