美容外科手術でトラブルを避けるために60
脂肪注入の手術手技についてです。
順番に、まず脂肪採取からです。
脂肪減量を目的とする脂肪吸引と脂肪注入に用いる脂肪を採取する脂肪吸引とはおのずと手技は変わってきます。
脂肪注入の先進国であるフランスでは脂肪採取への注意の払い方が強調されています。
特に採取時の麻酔については、通常のキシロカインを用いることすらできるだけ避けるように言われています。
何故ならこのキシロカインには細胞毒性があるからです。
現実的にはなかなか難しいことですが、麻酔注入量や麻酔薬の濃度をコントロールすることぐらいはできます。
採取した脂肪の扱い方にも注意が必要です。
できるだけ空気に触れない状態で採取した脂肪を扱う必要があります。
脂肪とそれ以外の成分を分けるのに遠心分離機を使うことが多くなってきていますが、その回転数にも注意が必要です。
回転数を増やすと細胞にかかるGが大きくなり破壊されてしまうからです。
このような注意を払いつつ用意できた注入用の脂肪をいよいよ注入していきますが、この段階での注意点については次回で。