美容外科手術でトラブルを避けるために96

脂肪注入に対して脂肪吸引はボリュームダウンの効果を出せます。

しかし、これもブラインド手術ですのでできればフェイスリフトなどで実際に顔の皮膚の下がどのようになっているかを熟知したうえで行いたいものです。

もちろん効果を出すためにはある程度脂肪を吸引しなければいけませんが、吸引量が増えれば増えるほどリスクが高くなることを知っておく必要があります。

皮下脂肪の下にはSMAS、その下には顔面神経や顔面動脈があります。

過去に他院で脂肪吸引を受けた患者さんのフェイスリフトをすると、その多くがぎりぎりまで吸引されていてよく後遺症を起こさなかったものだと冷や冷やします。

脂肪吸引はブラインド手術の典型ですが、ブラインド手術は初心者でも手が出しやすい反面、技術的には本来高度なものが要求されていることを肝に銘じる必要があります。

脂肪吸引そのものについてはボディの項目でもう一度詳しく書いていきます。

ここでは一言

脂肪吸引の出来上がりに一番影響するものは実は「皮膚のテンション」です。

皮膚のテンションが落ちている(顔ならたるみがある状態で)人に脂肪吸引をするとどんなに丁寧に細かく吸引しても仕上がりに凸凹が生じる可能性があります。

したがってやや年配の方であれば必ずフェイスリフトを併用する(同時でなくても大丈夫です)必要があることを術前に説明しておくとトラブルを避けることができます。