美容外科手術に向いていない患者さん 5
美容の手術経験がある患者さんで満足してない場合を考えましょう。
どう考えてもひどい手術を受けた患者さんもいるし、そうでない患者さんもいます。
修正手術の適応があるかそうでないか、以前の手術の内容が大事な決め手になる場合もありますが、それはほとんど参考程度にしています。
それよりも大事なことは以前の手術に対しての患者さんの反応そのものを最重要の参考材料にします。
一言でいうのは難しいのですが、、、
たとえば手術には必ず引き換えとしての犠牲が伴うもので、それをどうしても理解できない患者さんがいます。
要するに患者さんにとって手術には利益と不利益があり、美容外科手術も例外ではないことをどうしても理解できない患者さんです。
こういった患者さんは自分の意志をはっきり言えなくて他人への依存心が強い傾向があります(ふつうはとてもやさしくて温和で「いい人」なんですが)。
「神様のようなお医者様がいて何とかしてくれる」といったようなかんじでしょうか。
私はこういった患者さんを手術不適とすることが多いです。
手術の術後は患者さんにとって苦しく心折れるものです。
我々はできるだけのサポートはいたしますが、最終的には患者さん自身が乗り越えなければいけないことです。
しかしそれができる患者さんと生来できない患者さんがいて、生来できない患者さんには不要不急の美容外科手術をさける、という選択肢があるのです(がんとか緊急の手術にはさけるという選択肢はほとんどありませんのでなおさらです)。
手術のリスク説明をしたときに過剰に反応する患者さんは要注意です。
こういった患者さんにリスク説明をあいまいにして手術を納得させようとしてはいけません。
もちろん丁寧に説明をすることは言うまでもないことですが、時間をかけて何回説明しても納得した様子のない患者さんには手術をあきらめてもらうようにしています。
手術成績をあげるためとか売り上げをあげるために手術を強行すれば、それは患者さんにとっても不利益ですが、クリニックにとっても将来不利益として必ずかえってきます。