脂肪注入について 4
新しい脂肪注入術があったとしても、実際に患者さんで生着率アップが実証されてなければ「新しい脂肪注入術」とはいえません。
それは医学的な新しさではなく、単なるファッションです(美容外科にはこんな程度のものが多いです笑)。
30年前の昔々の脂肪注入術は、まず採取した脂肪を「茶こし」にいれて(本当に一般家庭の茶こしですよ笑、もちろん滅菌していますが)生理食塩水でじゃぶじゃぶ洗っていました。
不純物は生着の妨げになるであろうという理論で採取した脂肪を洗いまくっていたわけです。
これでは脂肪の生着に必要なものまですっかり洗い流されてしまってかえって生着率が落ちるということがわかってきました。
このことは実際に論文でも最近の脂肪注入法との間に生着率に差があることがわかっています。
この流れで脂肪注入術を考えると脂肪生着率の比較が脂肪注入術の優劣を決めるキーポイントであることがわかります。
したがって脂肪生着率をどうやって計測するか、これが脂肪注入術の改良に一番重要な課題になります。