脂肪注入について 6
脂肪注入後に生着した脂肪の量をどうやって計測するか、しかも人体に負担をかけずに。
これが「新しい脂肪注入術」を開発するうえで最も重要な課題です。
そこで我々は、日ごろからシミュレーションなどに用いていた「3Dカメラ」を利用することを思いついたのです。
アナログデータをデジタルデータに変換するように、顔面の表面を小さな要素に分解してその一つ一つの要素がどれぐらい変化しているかを計測して、元の表面のデータに戻して全体での体積変化を計算するという方法です。
これだと患者さんに全く負担をかけずにルーティンで行っている3D写真撮影のデータのみで体積変化を計測できます。
この方法を用いて、術前術後の写真を撮影するだけでその間の顔面の体積変化が計測できます。
両者の写真で変化がない点をいくつかピックアップすることで、術前術後の写真の位置合わせを正確に行った後で変化したところだけの体積変化を計測します。
もちろん術後の計時的変化も、その都度撮影することで計測でき何回でも行うことができます。
これによって、脂肪注入後にどれぐらいの体積変化が顔面に起きているかを正確に測ることができるようになりました。
もう一つ残された課題については次回です。