若返り手術その5
今でもフェイスリフト(FL)で皮膚で引っ張ているクリニックは結構あります。
その理由の一つは、その方法であれば元に戻るからトラブルが少ない、ということです。前々回の総論で書きましたよね。皮肉にもへたにガチンコで引き揚げてしまうとまわりとのバランスが悪くなりかえってトラブルになるものです。
患者さんは、「切ったわりにあまり効果がなかったけど、FLってこんなものかしら」と何事もなかったかのように終わります。
中には、「SMAS法」とうたっていても結局は皮膚によるFLと変わらないやり方をしてるところもあります。
ここで本当にSMAS法をしているかどうか、患者さんでも簡単に見極める方法があります。
それは「手術時間」です。
SMAS法にもいろいろな方法があるとしても、SMASを少しでも弁として授動するのであれば、そこだけでも1時間はかかるはずです。
SMASの直下には顔面神経がわんさか走っていて、自身の経験から言っても、SMAS直下には解剖学的にいろいろな変異があってかなり慎重を要する場合とか、以前糸によるリフトを受けていてSMASを串刺しにしていて極めて分かりにくいケースとかがあってかなり神経を使います。
SMASの処理だけで1時間 皮膚を剥離・切除・縫合で1.5時間 片側2.5時間 両側で5時間。
それが単純なSMAS法によるFLの手術時間だと思います。
実際は、SMAS処理だけでなくリガメントの処理や、ボリューム調整、スレッドリフトの併用などで手術時間は6~7時間に及ぶことがうちのクリニックでは当たり前になっています。
これを短縮できるとすれば、SMASに対する処理を省くしかないのではないでしょうか。
しかし皮膚だけで行うFLは本当に意味がないのでしょうか?それについては次回以降で。