若返り手術その9
SMASの続きです
SMAS弁の作成にあたって、バッカルファットが確認できたということは頬骨と咬筋前縁が交わるところまで剥離がすすんだということになります。
ここでSMASを後上方に牽引してみましょう、おそらくそれほどけん引力が前方まで伝わってないはずです。
これでは意味がありません。たるみを取りたいのは顔の前方口元やほうれい線だからです。
ここでリガメントを外す操作が必要になります。
SMASはこのリガメントによって、骨格などに固定されているからです。
いろいろなリガメントがありますが、そのもっとも強いのが頬骨と咬筋前縁や下顎骨についています。
咬筋前縁のリガメントを緩めないと、先ほどのようにSMASを引っ張ても牽引力はここより前に伝わらないのです。
したがってこれを外していきます。要するにSMAS下の剥離をするのに咬筋の前縁を超えなければいけないということです。また頭側にSMASを引き上げようとすると頬骨のリガメントを外していくことになります。
実際はSMASを時々牽引しながら、術者が狙っている部位のたるみに牽引力が伝わっているかを見ながらすこしづつ剥離しリガメントを外していくと効率がいいと思います。
そこまでやって初めてSMAS法、あるいはリガメント法と呼ばれるFLが完成するのですから、何度も申し上げるように数分でできる手術ではありません。
ではこれ以上前方に剥離する意味があるかどうか、それについては次回報告します。