輪郭手術その2
輪郭手術で大事なのは(輪郭に限らずですね)術後のイメージを明確に持つことです。
輪郭において大事なポイントを挙げるなら「小顔に見える輪郭」と「スムースな輪郭ライン」です。
小顔に見えるようにするには、できるだけボリュームのポイントを頭側に持ってくることです。
つまり、前額やこめかみ、ほほの高い位置にボリュームを持ってきます。私はこういった輪郭を「ハート形」と呼んでいます。
ここは体積が増えることになるので、一見「小顔」にすることと矛盾するように感じるかもしれません。
前回で書きましたように、小顔に見えるようにすることが大事であるというのはこういったことです。
具体的に、前額やこめかみにボリュームを出す手術について書いていきます。
詳しいことは、過去に紹介しました「分担執筆 非手術・低侵襲美容外科」の前額の項を参考になさってください。
前額にボリュームを出す手術には、大きく分けて「脂肪注入」「ハイドロキシアパタイトHA」「シリコンプロテーゼ」「骨セメント」があります。
生体親和性から考えるとこの順番に優れていると考えられます。
したがって当院では「脂肪注入」「HA」を優先に行っています。
さらに女性の前額であれば「脂肪注入」がほぼ一択になります。何故なら仕上がりが自然で柔らかい輪郭を表現できることと、脂肪採取部に困ることが少ないからです。
あとは手術侵襲がほかの方法に比較して極めて少なく、基本的に傷はつきません(太い針孔程度が数か所)。
ただ、脂肪注入はご存じのように、最初に入れた量が全部残るわけではないことが最大の欠点といわれてきました。
我々は脂肪注入においてこの問題が解決できれば非常に信頼性が増すと考え、従来「なんとなく生着が3割ぐらいかな~」と言われてきたことに、明確なアンサーを出すべく努力してきました。
その研究結果をまとめて今年の3月に形成外科学会誌に発表しました。今までにこのブログで何度も書いてきましたようにいろいろないきさつがありましたが、前額における脂肪注入の生着率における正確で科学的な結果を出したのはこれが世界初です。
では、脂肪が極めて少ない女性や男性はどうするか、について次回以降書きます。