全国チェーン展開の美容外科クリニック

美容外科クリニックの経営形態のなかで全国に展開しているいわゆる「チェーン店」と呼ばれるクリニックがあります。

われわれ一人で開業している「個人クリニック」とは根本的に経営形態が違いますのでそれが日ごろの診療方針にも少なからず影響しています。

時に個人クリニックからみるとチェーン店クリニックの無責任さはしばしば批判のまとになることがあるのですが、私はそうとばかりはいえないという立場をとっています。

大々的な広告をしながら全国主要都市にクリニックを設置し、患者さんをたくさん集めて手術をどんどん行うのがチェーン店の手法です。

チェーン店は医療的には疑問な点もないことはないのですが、とにかく「美容外科」というものを患者さんにとって身近なものにする、という点ではわれわれ個人クリニックにはどう逆立ちしても決してまねできるものではありません。

患者さんにとって身近に感じるのはテレビや雑誌などで名の知れた全国規模のクリニックであるのはまちがいありません。

良くも悪くも今までに美容外科の入り口を多くの患者さんに用意したという事実と、それによって生れた美容外科の需要により、われわれ現代の個人クリニックは拡大してきたこの業界の恩恵に浴しているということも忘れてはならない事実です。

私のクリニックに来院される患者さんはそのほとんどが過去にそういった規模の大きな美容クリニックを訪れたことがある患者さんなのです。

私はそれはそれでいいのではないかと思っています。まずは有名な美容外科クリニックで何らかの治療をうけて、そのなかでそういったクリニックでは満足できなかった一部の患者さんを我々のような個人クリニックが受け入れていく、といった棲み分けでも悪くないと思っています。

ただしこれは私個人の意見であって、患者さんがどうお考えになるか、最終的には患者さんがジャッジを下す大きな問題であります。