教えるプロ
人に物ごとを教えるのは意外と難しいものです。
たとえばゴルフがとても上手な人が、必ずしも教え上手とは限りません。プロゴルファーであれば素人に教えるのもさぞうまいのでは・・と考えがちですが、そうとばかりはいえません。
プロゴルファーは自分のゴルフを上達させてきたプロであって他人のゴルフの上達を手助けしてきたわけではありません。ましてや他人にゴルフを教えることを訓練されてきたことなどないのです。プロゴルファー=ゴルフを教えるプロ、ではないのです。
ゴルフの雑誌や本を読んだことのある人ならわかると思いますが、トーナメントプロが書いている上達のコツなどはひとつとして同じものはありません。場合によっては正反対のことを言っている場合もあります。これをまねしてかえって頭が混乱し、自分のゴルフがめちゃめちゃになった人もいるのではないでしょうか。
もちろんゴルフスイングには共通した原理原則理論はあるとは思いますが、それ以上のことは人それぞれです。原則以上の一般的なゴルフ理論などあるはずもありません。
初心者にゴルフを教える場面を考えてみると、一番大事なことはまずその教え子のスイングを見て、その人の筋力のバランス、柔軟性、重心、くせなどを素早く分析し把握、またその人の目指すレベルを考案し、無理なく上達するための一番の近道を指南することができる・・そんな人が教え上手=教えるプロと考えられます。
そうではなくて、自分の今までやってきたことの単なる押し付けや一般的な理論の押し付けでは教えるプロとはいえません。そんなことぐらいならDVDや本を読めば十分事足ります。
これは美容外科のカウンセリングにもそのまま当てはまります。一般的な美容治療がすべての患者さんに通用するなら医者はいりません。そういったスーパーな治療法がないから我々のように患者さんの状態に合わせて治療を選択する立場の人間(=美容外科医)が必要になります。
一般的な美容治療に満足できない患者さんにアドバイスするとすれば、いろいろな美容外科医の話を聞きにいって、まずは今の自分の状態を正しく的確に把握してくれる医者を探すことが成功への近道だと思います。そこには時間とお金を惜しんではいけません。