新しい手術
新しい手術法というものは突飛なアイディアから生まれることもありますが、昔の手術法の練り直し、というものがほとんどです。
練り直しのやり方にはいろいろありますが、同じ手術を別の適応に行っていくやり方、適応をかえるのではなく手術法そのものを洗練していくやり方、手術法は変えずに方向性だけ全く反対にしていくやり方、などです。
そうやって新しい手術法が生まれていきます。
そのために必要なことは、強固な基礎理論(解剖学や生理学の知識)と柔軟な発想力、繊細さと大胆さ、忍耐力と素早い決断力などなど、相反するものです。
それらのうち、どれが秀でているかによって、医師による個性の差が出てきます。
私は、一つの手術法を極限まで洗練するのが好きなので、強固な基礎理論と繊細さ、忍耐力がとくに必要だと感じています。そのための努力はあまり苦になりません。
うちの患者さんもそういう手術を求めている人が多いように感じています。とても少数の患者さんですが、その要望にこたえることが自分の存在理由だと考えて診療しています。