美容外科に形成外科は必要か?
昨日の続きです。「美容外科」に「形成外科」が必要かどうか。
形成外科もしくは外科系の修練をしているドクターと、そういった修練をしていないドクターの相違は、日常の美容外科診療では表立ってわかることはありません。つまりほとんどの美容外科手術には形成外科の修練は必要ないのです。
たとえて言えば要するにエンジンのことは詳しく知らなくても車は運転できタクシーの運転だって問題なくできるのと一緒です。
患者さんにとって普通の美容外科手術をうけるだけであれば、それほど形成外科出身の美容外科医にこだわることもないだろうと思っています。
それよりも形成外科専門医だからと美容外科の手術のエキスパートと考えてしまうほうが怖い場合もあります。美容外科手術なんて簡単にできる、と考えている形成外科専門医も実際にいます。そういったドクターによって手術をされてトラブルになっている患者さんもよくお見かけするからです。これ以上の具体的なことは申せませんが、それほど珍しいことではありません。
形成外科専門医でこれから美容外科を本格的にやっていこうと考えているドクターに一言言わせてもらうとすれば、美容外科は決して形成外科の一部などではありません。アメリカではそうかもしれませんが(研修システムの相違です)現在の日本ではそうではありません。美容外科をなめてかかると患者さんに迷惑をかけるばかりでなく、美容外科には形成外科が必要である、という根拠までなくしてしまいかねません。
形成外科修練を終えた美容外科医として標榜、あるいは美容外科専門医と称して看板をだす以上は、従来の中途半端な形成外科医としてのプライドは捨てて、一般の美容外科医にも一目置かれるようなエキスパート中のエキスパートになるよう日々努力をするべきだとかんがえています。私自身もそうあらねばならないと日頃から心がけて診療をしています。