専門医制度について
これは、先日モナコの学会のときに宿泊した「ホテルエルミタージュ」のロビーにある「ジャルダン・デュ・ヴェール」(ちなみにジャルダン=庭、ヴェール=緑だったと思います)です。
よく見るとこのドームを支えている鉄骨は大きなリベットでかしめられていて、そこだけ見るととても無骨な印象を受けるのですが、これはパリのエッフェル塔で有名なグスタフエッフェルの設計で国の重要文化財だそうです。
あらためて1階から眺めてみるとなかなかのものです。天井はご覧の通りステンドグラスになっています。
2階は丸い回廊になっていて、毎日ここで朝食をとっていました。とても気分のよい朝を迎えることができます。
目の保養にどうぞ。
さて本題です。昨日書きました「専門医」について。
専門医制度は、その科の一定の水準を維持するうえで重要であると考えます。
医療というのは医師の自由裁量権と標榜科の自由があり、よほどのことがないかぎり医師には何をやってもいい、という他の業界ではちょっと考えられないことが許されています。
もちろんそのために医学教育は6年かかり、医師国家試験に合格しなければ医師免許は与えられないのです。
ところが医療の急速な進歩と発達によりその細分化・専門化がすすみ、大学での6年間の教育だけではその全部を網羅することは不可能になってきました。
大学の医学部を卒業してさらに2年間の全科研修を修了し、その後5~6年間の専門医研修を終えてやっと専門医を取得する権利をうるわけです。
さらに、加速していく医療の進歩に追い付くためには常に情報を仕入れ、自ら行っている医療について他の医師の評価をうけることも重要になってきます。
そのために学会に出席する、学会で演題を発表する、論文を書く、ことなどが必要になります。
これをチェックするのが専門医の認定更新作業になります。
専門医を取る、あるいは専門医を維持する、という作業そのものがその医者の医療水準を一定以上に引き上げそれを保つことにつながると考えられます。