ボトックスの真実2
前号の続き
FDAによると、ボトックスの死亡例は脳性まひの小児で、四肢の痙性の治療に用いられた例である。しかし、このような使用はアメリカでは認められておらず、このような使い方をした小児の例で死亡がおきたとのこと。
FDAによると大人ではボトックスによる死亡例の報告はなく、いくつかの副作用の報告は過量投与に関係しているとしている。
FDAの神経学的薬物部門の室長のRussell Katzによれば、しわ治療でボトックスを使用した例で、死亡例はない、(ボトックス治療によるものかどうかはっきりしないが入院例が1例ある)とのこと。
しかしボトックスの活性型の分解産物は従来考えられていた以上に、注射部位から離れたところの筋肉(たとえば下肢に注射したものが呼吸筋に影響する)に作用する可能性があるとしている。
先に消費者団体から報告されたボトックスによる16例の死亡例について、現時点ではFDAの見解と一致していないため、製造会社にデータの整合性の再検討をもとめた。
以上、知りえた範囲で言えることは、ボトックスをしわ治療で用いる場合その量は非常に少ないため重篤な副作用(嚥下困難やそれによる肺炎、死亡)が起こることはまず考えなくてよさそうです。大量に使用する場合は、呼吸筋への影響を考慮する必要がありそうですが、どれぐらいの量で死亡例がおきたか、もう少しデータを検討する必要がありそうです。
以上