鼻の修正手術

鼻の修正術の内容には、鼻根が、高過ぎ、低すぎ、プロテーゼが曲がっている、下がっている、透けている、鼻尖が、上を向いている、下にたれている、まがっている、太い、細い、丸い、鼻翼が張っている、下がっている、全体をみて鼻が短い、長い、太い、細い、低い、高い、ごつい、小さい、など言葉で表現しきれないほどです。

鼻も瞼と同様、一人の患者さんで修正内容がいくつも重複しているのが普通です。

それを踏まえたうえで修正手術に臨むわけですが、鼻の修正手術の複雑な面がもうひとつあります。

気に入った鼻であることを判断するのに必要な角度が無数にあることです。

たとえば鼻を見るときの角度には横方向・縦方向だけでなく、真横、斜めやや横、斜め、斜めやや正面、正面と考えていくと横方向で9方向、縦方向も同様に考えて9方向、合計で81方向あるとしましょう。

通常手術中に確認できるのはそのうちせいぜい6方向ぐらいですので、この角度でOKだったとしてもそれ以外の75方向の確認はできません。

手術が終わると患者さんは日常生活のなかでとにかくご自分の鼻をありとあらゆる角度で見るようになります。

さらに以前書いたように、いろいろな表情の中で鼻を確認しようとするわけです。

手術中に見て気に入っていただいた鼻でも家に帰るとなんだかおかしな鼻に見えてくることがある理由はここにあります。

6方向でOKでも残りの75方向のうちでどれだけ気に入った鼻になっているか、さらにいろいろな表情のなかでも鼻に違和感がないか、それが問題なのです。

鼻の手術にはこういった難しさがあり、それに対応できるように我々も心して臨むようにしています。