初回の手術の重要性(まぶた編)

お盆前、うちのクリニックでも連日の手術で忙しい日々を過ごしています。

何年かぶりに首を痛めてしまい痛みに耐えながらの手術となってしまいました。

手術の最中は比較的痛みを忘れていますが、帰宅してからは首をちょっと動かすのもつらい状態です。

そんな中で、先日の手術は上瞼の他院切開手術の修正手術がありました。

過去の手術歴が少し変わっていました。

左だけ2度の手術を受けられていて、右は手術を一度も受けていない、といった状態でした。

1回目は普通?の全切開を受けたそうですが、術後にかなりひどく腫れたそうです。

内出血はなかったとのことでしたが、術後からひどい眼瞼下垂になってしまい、術後4か月経過してもそれが改善せず、そこで2回目の眼瞼下垂修正の手術を同じクリニックで受けられたそうです。

この患者さんに限らず、全切開の術後に一過性の眼瞼下垂になる患者さんは非常に多く、それを予防する方法については今までこのブログに書いてきました。

今回、患者さんのご要望の両側下垂改善の手術を引き受けましたが、このように左の過去の2度の手術の経過を何度も聞き取り調査をした結果、、かなり困難な手術になることを覚悟していました。

このあたりの手術を何度か経験されているドクターならお分かりだと思いますが、おそらく最初の手術で挙筋腱膜とミューラー筋の間が剥がされ、腱膜が外れた状態で術後に癒着して下垂状態が定着してしまったのだと考えられました。

この患者さんの術後がさらに複雑だったのは、2回目の手術でその癒着が完全に改善されないままに腱膜が瞼板に固定されていたので、そこを完全にリセットしないと下垂修正の大きな妨げになっていたことがわかりました。

今回の手術は、右にかかった手術時間は45分ぐらい、左には2時間ほどかかりました。

全切開を考えている患者さんに申し上げたいのは、最初の手術が肝心だということです。