症例写真を更新しました
症例写真を更新しました。症例写真はこちら。
鼻の修正手術の患者さんで、前医において「鼻尖縮小術」と「鼻尖軟骨移植」を受けられたそうです。
前医の先生の名誉のためにおことわりしておきますが、決して手術そのものが失敗だったというわけではありません。
患者さんのご希望する鼻にならなかった原因は、手術手技の問題ではなく患者さんの目指している「鼻」のイメージをドクターに伝えきれなかったことによるものと思われます。
修正手術の原因で最も多いパターンです。
一般に、ドクターは患者さんのおっしゃることをよくお聞きして手術の方法を決めることが重要だということがいわれますが、それだけではちょっと足らないのではないかというのが私の意見です。
この患者さんの場合も、前医に「鼻を細くして鼻先を尖らせてほしい」ということを確実に伝えています。
この言葉をそのまま「美容外科手術用語翻訳機」にかけると、「鼻尖縮小術」と「鼻尖軟骨移植術」という答えが返ってきたのだろうとおもいます。
実はここに落とし穴があって、「鼻尖縮小術」=「鼻尖を細くする手術」ではないということを理解しなければいけません(これは美容外科医の先生において特に、です)。
つまり美容外科においては「鼻尖縮小術」=「鼻翼軟骨引き寄せ縫合術、鼻尖軟部組織切除術」であって100%「鼻尖を細くできる手術」ではないからです。
わかりやすくいえば鼻尖を細くする(目的)にはいろいろな手術(方法)があって「鼻尖縮小術」はその一部にすぎないということです。
この患者さんの真の要望は、「見た目に鼻先が細くとがった感じになって、鼻先の位置は下がるでもなく上がるわけでもなく、鼻筋が鼻先まで途切れることなく通っていて、しかもどこから見ても鼻先に丸い感じがない、違和感のない鼻になりたい」ということだろうと理解しました。
そこまで理解するのに、術前に3回のカウンセリングで計3時間以上の打ち合わせを必要とし、その間に、話をお聞きするのはもちろんですが、こちらから提案をしたり、理想の芸能人の写真をみてみたり、コンピューターでシミュレーションをしてみたり、絵を描いて見てみたり、とにかくいろいろな方法で共通のイメージを作り上げるようにしました。
美容外科の手術名というのは、時に術後のイメージを作る上で間違った方向に我々を陥れてしまう罠になります。
手術名は方法であり、決して目的にはなりえないのです。カウンセリングでまず第一に重要なのは、目的をはっきりすることであることはいうまでもありません。