切開式重瞼術の精度をアップするには

ここのところ重瞼の話が続きます。

重瞼術の精度アップは、前回前々回書いてきたことが理解・実践できることが最低条件でそのうえで目指すことであると考えられます。

前回前々回の内容は、形成外科で何例か眼瞼下垂などの手術を指導医の元に経験すれば理解できるはずです。

しかし美容外科のいわゆる切開式重瞼を正確に行うにはこれだけではやや不足ぎみです。

なぜなら前回前々回の知識だけでは患者さんの美容的要求に100%答えることが難しいからです。

そういった意味では、眼瞼下垂修正術よりも切開式重瞼術で常に一定の成績を出すことのほうが、難易度が高いというのが私の意見ですし、現にこれだけ重瞼術の術後の修正希望が多いことからもそれがわかります。

腱膜を正しい位置関係に保ちつつ、重瞼の幅や重瞼ラインのかたち、ラインの強弱、睫毛の向き、などをコントロールしつつ左右差をできるだけ作らないようにする、あるいは左右差ができたとしても術後に容易に解消できるように手術しておかなければいけない、などが美容外科医として要求される重瞼術のレベルだと考えています。

そのなかで、重瞼ラインの強弱と睫毛の向きについてはあまり術者に意識されていないようですが、重瞼「修正希望事項」の内訳の中で比較的上位にランクインしています。

この問題は、重瞼ラインの皮膚を「どのように」、「どこに」とめるか、によって結果が左右される非常にデリケートな問題です。