フェイスリフトの傷跡からわかること

フェイスリフトの傷跡と効果の関係について、最近気づいたことを書きます。

一般的に傷跡は丁寧に(あるいは上手に)縫えばきれいになる・・・と考えます。

我々のように毎日皮膚を縫う仕事をしている医師は、そうとばかりは言えないことを知っています。

もちろん一つには患者さんの体質も関係しますが、傷跡を目立たなくするには、実は皮膚の切り方、方向、縫ったあとの傷への緊張のかかり方など縫い方以外にもいろいろなことが結果に関係していることを知る必要があります。

そのことがわかると、フェイスリフトの効果と傷跡の美醜に関係があることがわかります。

効果のないフェイスリフトは必ず皮膚で引っ張ってたるみを取ろうとしています。

そうすることで縫った縫合部分に非常に緊張がかかるので傷跡としては目立ちやすくなります。

フェイスリフトの術後の傷跡が目立ってその相談に来院される患者さんはほぼ間違いなくフェイスリフトの効果にも不満があるようです。

皮膚だけで引っ張ったフェイスリフトは皮膚が伸びて効果が失われるだけでなく、傷が徐々に開いて来ることでもその効果がなくなるのです。

術直後は笑えないほど皮膚が突っ張っていたにも関わらず術後3カ月で全く元にもどってしまったということです。

患者さんにとっては、長期効果がないばかりでなく、傷跡も汚いので、まさに踏んだり蹴ったりです。

逆に効果が長続きするフェイスリフトは傷跡がきれいに治ることが多いのです。

その理由は簡単です、たるみの引き上げを皮膚だけに頼らないので傷にかかる緊張が大きくないからです。

それではなぜ、皮膚だけで引っ張る手術が行われるのか、その理由は・・・そのほうが手術としては簡単で短時間にできるからです。