WPRPのセミナーの続き
患者さんの中にはすでに従来のPRP治療をうけられたかたもいると思いますが、きっと結果は「?」だったのではないでしょうか。私はこの治療をまだ取り入れていないのですが、その理由はこの治療をうけて満足したという患者さんの声を聞かないのと、実際に施術前後の変化がほとんど認められないからです。(PRP:多血小板血漿注入療法)
今回のセミナーを聞いて、なぜ従来のPRPが有効でないか、その理由がなんとなくわかりました。
ひとつは従来のPRPそのものの治療の限界。従来のものは体調などによって活性にばらつきがあり安定した効果が出にくいという事情があるようです。これはWPRP,WPRPFへ進化することで解決されていくとおもわれます。
もう一つはこの治療にはかなりデリケートな作業が必要であることだと感じました。採血して遠心分離して上澄みをあつめて注入、という一見単純な作業なのですが、今回のセミナーのハンズオンで実際にPRPを採取分離するところをみましたが、非常にデリケートな操作が必要で、試験管をコツンとあてただけで効果が落ちるなど随所に重要なポイントが説明されていました。
注入の方法も従来の「フィラー」とはちがった感覚が必要な点があり、注入する医師にこの考え方の切り替えができないと「しこり」ができたりおもわしくない結果が出ると思われます。
いづれにしてもアンチエイジングにおける生物学的アプローチは非常にクレバーな治療法なのですが、治療理論の基本がわかっていないと最大の効果を出すのは非常に難しいことを実感しました。
昨日の記事でのポイントと、今日の記事で書いた我々医療サイドの心構えをもとに、2009年から八事石坂クリニックでもWPRP治療を開始する予定です。