論理的思考力をみる方法
前回の記事で書いた「社会に出て一番大事なこと」は、もちろん医師にも当てはまります。
以前にも書きましたが、実際に医療現場で一番大事なことは医師自身が問題点を見つけそれを自力で解決していく姿勢です。
医療現場で経験する諸問題には正解があること自体むしろ少なく(一般社会でも同じですが)その問題に立ち向かうには、深い思考力とその過程において常に感じる不安にまけない強靭な精神力とその結果に対する正しい分析力が必要なのです。
ところがこういった医師に必要な資質がその人にそなわってぃるかどうかを評価するのは医学部に入る大学受験のときしかありません。
医師国家試験は思考力を見るというよりは、医師に必要な基礎的な知識が備わっているかどうかのチェックの機会です。
そのように考えると、医学部の入学試験(2次試験)に必ず「数学」が含まれていて、内容も非常に難しいのは当然といえます。
他の学部では就職の段階で問われることが、医師には入学試験以降ほとんどないからです。
久しぶりに今年の医学部の受験問題を解いてみて、受験以来35年間一度も遭遇しなかった三角関数や2次方程式の問題をなぜ入学試験で解かなければならなかったか、それが今となってようやくわかりました。