ゴアテックスについて~その2
前回の続き
ゴアテックスはexpanded PTFEといわれていて、延伸多孔性という性質を持っています。
これが走査電顕によるePTFEのfibril 構造です。結節と延伸多孔構造がよくわかります。
これによって前回の記事で書いたような特徴をもった材料になるわけです。
生地としては非常に柔らかく、少し伸び縮みします。
生体材料として用いれば周囲となじみがよく、隆鼻術に用いた時、シリコンに比べるとナチュラルな仕上がりになります。
この多孔構造で生体組織とのなじみもいいのですが、欠点としてはなじみがよすぎて取り除くことが難しくなることです。
動物実験でもゴアテックスを移植すると、1週間後には周囲との癒着がみられ取り出すのに少し難しくなります。
この材料を用いた場合、術後に何らかの原因で取り出すときはちょっと苦労することが予想されます。