究極のたるまないこつ?

前回「瘢痕の理解」で少し言及しましたが、手術の結果に大きく影響するものとして「皮膚」があります。

皮膚の奥にあるもの、たとえば皮下脂肪、筋肉、骨などを手術で変えたとしてもそれに皮膚が追い付かなければ外見は思った変化はでてきません。

たとえば、輪郭の手術といえば「骨切り」が代表的ですが、いくら骨格を骨切りで小さくしたとしても顔面の皮膚がそれに追いつかなければ思ったような小顔になりません。

小顔になるどころか皮膚があまってかえって顔がたるんで見えるようになってしまった、ということも多々あります。

脂肪吸引も同様です。脂肪が減った分だけ皮膚が縮まってくれれば体型がきれいに痩せることができますが、そうでなければかえって醜い体型になることもありえます。脂肪吸引の結果は「皮膚」次第、というのが私の考えです。

大事なのは皮膚が自ら引き締まっていく力(リトラクション)です。

残念ながらこの能力は20代がピークでそれ以後年齢とともに減少するようです。

ですから30代40代以降で急激に痩せることが顔のたるみがきになりだした一番のきっかけになるわけです。

もちろん若くして体重が20kg以上の増減を経験した人も同様です。皮膚の繰り返す伸び縮みによって皮膚の性状が「のびきったパンツのゴム紐」状態になってしまっているわけです。

ある有名な美容外科の婦長さんが、たるまないコツは年々少しづつ少しづつ太っていくことだ、と言われたらしいのですがまさしくこのことだと思います。

それ以外にも皮膚が美容外科の手術の結果に影響している例がありますが、次回以降でお話しします。