修正手術

修正手術は美容外科手術に特有ともいえます。一言に修正手術といってもいろいろなケースが考えられます。

まず手術自体の失敗。誰が見てもミゼラブルな結果になってしまったケース。その原因としては、医療操作のミス、医療技術の未熟、術後の感染などが考えられます。

そういうケースでは術後に大学病院の形成外科を受診することが多いからかもしれませんが、我々クリニックレベルで取り扱うことはそれほど多くはありません。仮にそうとしても絶対数はそれほど多いとは考えられません。

こういったケースの修正手術は困難を極めることが多く、前回の手術によるダメージが大きいため簡単に修正手術をすることができないどころか手術自体ができないこともあります。

各種神経麻痺、筋肉へのダメージ、組織の廃棄などによる場合は、十分に時間をかけてまず経過を見る、ということが第一選択になります。

もうひとつ難しくする原因は、こういったケースの患者さんは精神的なダメージも計り知れないことが多く、医療に不信感があるため修正手術が必要であって回復する可能性も十分にあるにも関わらず、手術に踏み切れない、といったこともあるからです。

不幸にもこういったケースに遭われた患者さんの治療を診療する上で心がけていることは、まずその患者さんと信頼関係が築けるかどうかを最優先としています。具体的に手術を考える前に、患者さんの話を1時間じっくりとお聞きして次にその経過を明らかにして、どうしてその結果になったかを考えていきます。

そのあとで私の考えを患者さんにお話しします。その経過の私なりの考えをお話しし、患者さんのご理解が得られるかどうか、それが出発点だと考えています。

我々診療する側から見れば要するに時間のかかる、非常に「タフ」な診療になります。患者さんとしては、修正手術を焦ってもダメ、修正手術を極端に怖がってもダメ、楽観過ぎるのもダメ、悲観過ぎるのもダメ、といったことが要求されるため強靭な精神力と忍耐力が必要になります。