美容外科医になるためにその10~勤務医という選択

「美容外科医になるために」シリーズは、これから個人で美容外科クリニックを開業しようと考えているドクターを意識して書いています。

しかし中には、一生美容外科の勤務医で通すドクターもいます。

どちらがいいのか判断は難しいところですが、美容外科に対する考え方やドクターの性格にあっている道を選ぶのが一番です。

勤務医の利点は、経営に関する面倒な雑用(人事、宣伝、経理など)をしなくていいことがあげられます。

実際に個人で開業するとこういった雑用は尽きることがありませんし、むしろ経営が軌道に乗って規模が大きくなるほど雑用が増えます。

しかしこれは何も美容外科に限ったことではありません、ほかの科で開業しても同じことがいえます。

ほかの科では見られない「美容外科」独特の雑用とはなにか、それは今まで何度も書いてきましたが自費診療というただ一点に尽きると思います。

自費診療は、それまで形成外科などで勤務医をしていたような保険で地域医療をするのとはわけが違います。

この「煩わしさ」から解放されるのが「勤務医」の最大のメリットです。

逆にこれを「煩わしい」と感じないのであれば、個人で美容外科開業は十分可能です。

難しいのは、開業してから「煩わしい」と感じてしまうケースです。

そうなると開業して数年たってから「勤務医」に出戻り、となります(私の知っている限りでもこういう道をたどるドクターは結構います)。

個人で開業する前に、ほかの美容外科クリニックで勤務医を経験し、そこで自分自身が開業に向いているかどうか、特に自費診療から発生するいろいろな問題に対して自分自身が疑似体験することでそれを乗り越えていけるかどうかを真剣に考えてみることをおすすめします。

私自身、この問題をクリアーして開業に踏み切る前に6年の歳月を費やしました。

焦って開業する必要はないと思います。