鼻尖縮小術 その2

鼻尖縮小術は奥の深い手術です。

ただし美容形成外科の手術の大原則は鼻尖縮小術にも当てはまります。

それは、「皮膚」をどうするか、ということに行き着くところです。

鼻尖は通常皮膚の厚いところで皮下脂肪も豊富です。

そこをコントロールすることが鼻尖縮小術のキーポイントになります。

修正手術の場合も皮膚のコントロールがうまくいくかいかないか、が成否のポイントになります。

鼻の軟骨を露出する際にまず皮膚を剥離しますが、その時に、鼻の下面(鼻尖よりも口唇寄り、鼻柱を含めて)になるところは皮膚を厚めに剥離したのち、鼻の下面から前面に移行したあたりから皮膚を薄くしながら剥離します。

剥離後に皮膚の厚みをコントロールするよりも、剥離のときにしたほうが容易です。

鼻翼軟骨外側脚上にある脂肪塊も軟骨につけるように皮膚を薄く剥離します。

非常に地味な手技ですが、疎かにできません。

以前他院の手術で2回も鼻尖縮小術を受けた患者さんで、3回目の修正術時に皮下脂肪が丸ごと残っていたことがありました。

3回目の手術を希望された理由は、十分に小さくならなかった、ということですが、ただでさえ結果が出しにくい手術にも関わらず、基本的な手術手技が省かれていたら結果が出るはずもありません。

鼻尖縮小術はとかく軟骨の形成ばかりに目が行きがちですが、ここにも形成外科と共通の大原則を忘れてはならないといういい例だと思います。

巷には「糸で縛る鼻尖縮小術」というものがあるそうですが、その手術で満足できる結果が出ることがあるのでしょうか?