鼻尖縮小術 その3
鼻尖縮小術を成功させるために鼻翼軟骨を小さくして、皮膚を薄くして、それで鼻先は小さくなるのか・・・残念ながらそれほど簡単なことではありません。
軟骨フレームと皮膚の間が一度剥がされ(剥離され)、軟骨フレームを小さくすると当然軟骨と皮膚の間に隙間が生じます。
これは外科用語でデッドスペースといわれます。
通常人間の体のなかには隙間はあってはならないのです(体の中の内臓と呼ばれているものは、体の中ではなく外界と通じているので外部になります)が、手術の後にできた場合、これを全力で埋めようとする力が働きます。
人間の体が自らの内に生じた隙間を埋めるものが「瘢痕」です。
特にデッドスペースが広い場合は、瘢痕が過剰に生産されます。
瘢痕を最小限に抑えるためには、このデッドスペースをできるだけ小さくしておくことが重要です。
手術でこれを最小限にすることも重要ですが、術後にデッドスペースを小さくするための圧迫も有効です。
ようするに鼻尖縮小術を成功するためには、術後のこの部分の圧迫が重要であることがわかります。
さらにいえば、こういった瘢痕のコントロールの概念はまさに形成外科のもっとも重要な考え方の一つです。