年頭のご挨拶
今年もよろしくお願いします。
今年最初の記事は、美容外科医向けに書こうと思います。
昨年からのマイブーム「幸福の資本論」、今日は人的資本について深ーく掘り下げます(笑)。
医師の人的資本は、一般的にとても高額です。
ちょっといやらしい話になりますが、稼ごうと思えばいくらでも・・・です。
特に美容外科は、医療の中でも医師としての人的資本が生かせる最高峰の一つと考えられています。
それなら美容外科医は全員幸福か?というとそうでもないのは去年にも書いたとおりです。
なぜか・・・。
人的資本が幸福をもたらす一番重要なポイントは、「仕事のやりがい」の有無だからです。
それは一言で言ってしまえば、他人への貢献(医療では患者さんの幸福への貢献)です。
美容外科では、施術によって患者さんに心からの満足感をもたらすことができたかどうか、が重要なカギです。
施術そのものがうまくできたかどうかも重要ですが、施術後ある一定期間患者さんに満足感を感じていただけたかどうかがとても重要です。
手術であれば、その期間が年単位にもなります。
それを知るうえでもっとも重要なものは、術後の患者さんのフォローアップです。
これをやらずして、どんどん手術なりレーザー照射をやっていくと、売り上げは一時的に伸びていきますが、時間的にフォローアップすることができなくなり、患者さんに本当の満足感をもたらしているかどうかわからなくなります。
ここが、美容外科医の一番陥りやすい罠です。
医師自らが術後の検診をまめに行うことは、経営的に最も効率が悪いことになります(通常美容外科で術後検診料を取るところは珍しいからです)が、ここをおろそかにすると自分のおこなった医療行為の患者さんの幸福への貢献は全く分からなくなります。
術後検診は、患者さんのためにというばかりでなく、むしろ自分の医療行為が本当に患者さんに貢献できたかを知るうえで医療側からも重要となります。
術後、それほど満足できなかった様子の患者さんがおられたとしてもそこから我々はとても重要なことを学ぶことができ、患者さんの満足感を増やす努力をするうえでヒントになるとかんがえられます。
長々と書いてきましたが、美容外科の仕事の目的として患者さんの満足感に貢献できたかどうか、そこだけを目指して仕事を進めることができれば、医師の人的資本を最大限に活用したことになり、美容外科医自身の幸福にもつながるのではないかというのが私の考えです。