情報発信の難しさ

新型コロナ感染の爆発的流行で世界中が大変なことになってしまいました。

日本はどちらかといえば、いまのところ緩やかな感染拡大にとどまっていますが、いつ何時爆発的な感染拡大につながるかもしれない状況です。

為政者から発せられる緊急宣言とそれを受け取る国民の側の反応を見ていると、こういった重大な局面ではちょっとした言葉の意味が大きな影響力を持ってしまうことに驚いています。

日頃から患者さんに正しい情報発信を心掛けているわがクリニックとしても、改めて気を付けないといけないと感じています。

どうしても情報発信側は、受け取る側のレベルを勝手に想定して発信しがちで、その結果トンデモない情報の受け取られ方をしてしまって戸惑うことがよくあります。

特に施術に関するリスクの説明に関しては、できるだけ詳細にお話をしたほうが患者さんの利益になると考えていますが、たまに患者さんから「そんなに怖いことを伝えられるとやる気がなくなります!」とか「手術をやめさせようとしてますよね」とか「先生、本当は手術したくないんでしょう?」など、こちらの想定外のリアクションに驚くことがあります。

もちろんそうではないのですが、どこまでこういったリスクを正しく誤解のないように伝えられるか、毎日頭を悩ませられるところです。

ただし、不特定多数の方に向けて情報発信する政治的なメッセージに比べれば、見える相手として一人一人の患者さんに情報を伝えるほうがより正確にきめ細かく伝えられる、という点では対面のカウンセリングはとても大切な診療行為だと改めて思います。