鼻の手術その11

昨日も鼻の修正手術で8時間手術となりました。

患者さんは当クリニックが4件目で、鼻中隔延長術(SEG)は初めてでした。

過去に鼻尖軟骨移植(OCG)を受けておられて、術中に厚さ10mm!にもなる軟骨片(7~8枚重ね?)を確認しました。

たとえ10mmの厚みがあってもSEGをしていなければほとんど高さは変わらないし団子鼻はかわりません。

修正を手掛けていると、どの手術が無駄でどの手術が有効かは手に取るようにわかるようになります。

他医を非難するつもりはありませんが、術者は自分が行った手術の結果を真摯に受け止める努力を続けなければ、手術の有効性ひいては患者さんの満足度を知ることはできないと思います。

手術をすることも大事ですが、自分がおこなった手術の長期経過を観察すること以外に手術のスキルをアップする術はありません。

そうなると、少なくともスキルアップ途中の術者(自分で独立して手術をするようになって10~15年まで)は大勢の患者さんの手術をすることよりも、患者さん一人ひとりを大事にして術後のフォローアップをしっかりすることが一番大事です。

そういうことをやってこなかった、数をこなすことだけ一生懸命してきて年期だけがはいった術者の手にかかった患者さんの術後は本当に悲劇的です。

今回で鼻の手術はいったん終了しますが、修正を手掛けてきて患者さんに一言申し上げたいのは、鼻は最初と2回目の手術でほとんど結果は決まってしまう、ということです。

最初の手術で成功しなかった場合2回目は慎重にクリニック選びをされた方がいいと思います。

患者さんへの対応(特に術後の対応、これは患者さんには判断が難しいとおもいますが)が丁寧なクリニックは手術も丁寧なことが多い傾向があります。