若返り手術その2

少し年配の女性患者さんで、大学病院の形成外科で眼瞼下垂の手術を受けた後の相談を受けました。

見た感じが何かおかしい、という訴えでしたが患者さん自身どこが気に入らないかよくわからない、といった感じでした。

開かなくなった瞼が軽く開くようになった、これは患者さん自身も自覚があります。

気にされているのは外観の違和感です。

眼瞼下垂の手術も一つの若返り手術と考えら、しかも瞼ですから、その効果は絶大です。

何がいけなかったのか、、、手術が失敗しているわけではありません、大学の形成外科の先生が手術しているわけですからそこは問題なし、と考えられます。

もちろん、初診時お顔を拝見して問題点はすぐわかりました。

そもそもたるみ、たれさがりの症状は、お顔全体のあらゆる部分に生じます。ある意味バランスよくたるんでいるわけです。

ですから年配のお方のお顔を拝見しても違和感がないのですが、手術でこれを一部だけ改善することはそのバランスを崩してしまうことにつながります。

先の患者さんもここを理解して手術を受ければ同じ結果でも戸惑うことは少なかったのではないでしょうか。

バランスが崩れるということはどういうことか?

まず上瞼から見てみると、瞼の芯はあがります。ただこのままでは皮膚の余りがかえって目立ちますので皮膚を切除することになります。

この方法には二つの方法がありますが、それは瞼の手術の項目で書きますで省略します。

瞼の余剰皮膚を切除したとして、目尻からこめかみ、前額、下瞼もバランスよくたるんでいたのに、上眼瞼だけが抜け駆けして若返るとどういうことが生じるか。

取り残されたところは、たるみが単に残るだけでなく術前よりもかえってめだつことになります。特に上眼瞼との境目、ここに大きな違和感が生じます。

そこは広い意味での「ドッグイヤー」状態です(ドッグイヤーの本当の意味は以前書きましたので検索して読んでみてください)。

形成外科でドッグイヤー処理で悩まれた経験のある形成外科医なら私の言いたいことはすぐに理解できると思います。