若返り手術その3
前回の続きです。
つまりたるみを解消するにもバランスを考えてプランを立てないと患者さんの満足感につながらない、ということをお話ししたかったわけです。
もし患者さんが一部だけの改善を望まれるのであれば(こちらの要望のほうが多いと思いますが・・・)バランスをくずさない程度のわずかな改善にとどめたほうが無難です。
手術で大きな効果を出そうと張り切っている美容外科初心者は戸惑うかもしれませんが、一部だけの若返り効果を期待している患者さんに効果が絶大な手術を一部にしてしまうとバランスをくずすというリスクにつながります。
ですからレーザーや高周波、超音波などの治療の意味があるわけです。
手術による若返りは、お顔全体にバランスよく大きな効果をもたらすものと考えてプランニングすることが重要です。
患者さんや経験の浅い美容外科医だと、広範囲に手術することがリスクと考えがちですが、全く逆だということを覚えておいてください。
もちろんそのためには、バランスよく改善するには何が必要かを見極める力を養うことと、一つ一つの手術の効果を最大に発揮できる腕を身に着けることは言うまでもありません。
あと、もう一つ重要なことは、こういったことは最初から患者さんにはわからないし、理解していただくにもかなりの時間と手間がかかります。
しかも大部分の患者さんは広範囲な手術には拒否的になると思います。
こういった内容のカウンセリングをすることは短期的には無駄になる(手術に結びつかない)ことが多いかもしれません。
ただ患者さんに術前にしっかり理解していただいたうえで、必要な若返り手術を受けていただいたときの満足度は計り知れないものがあります。
まずは目先の利益を考えずに、カウンセリングに時間をかけしっかり検診をするという美容医療の基本にしたがって修業に励んでくれることを願っています。
そうすれば患者さんも必ずいつかは理解してくださる時が来ることは、私自身の体験を通じて100%約束できます!