若返り手術その4

若返りの総論を書いてきました。

総論だけだと飽きてしまうので各論、中でも一番興味があると思われるフェイスリフト(FL)について何回かに分けて書いていきます。

FLの命題は非常に明快です。一つは「垂れた皮膚をどれだけ引っ張り上げられるか」と「それをどれだけ長い期間維持できるか」その2点です。

あえてもう一つ付け加えるとすれば「自然な表情を術後にも維持できているか」でしょうか。ただし外科医としてはまず最初の2点を達成できなければ問題外です。

まずFLの手術と一口に言ってもいろいろな方法がありますので、そのことから書いていきます。

FLは歴史の長い手術になります。

当初は皮膚をはがして後上方に引っ張り余った皮膚を耳の前で切り取るという方法でおこなわれていたようです。

しかしこの方法では直ぐ効果がなくなってしまいます。なぜなら皮膚には伸展性があり常に重力でさらされているため顔の皮膚が伸びて引き上げ効果がなくなります。

次に皮膚ではなく筋膜(SMAS)で引っ張り上げる方法が行われるようになりました。

筋膜は皮膚よりも伸展性が少ないので術後の戻りが少ないと考えれら、実際に多数の論文でも効果が持続することが実証されています。

最近のFLの方法は、基本的にSMASによる引き上げ法を中心にいろいろな改良がなされたものと考えられます。

細かい改良点については後々に書いていきます。

ここで、今の日本の美容外科で実際に行われているFLの現状です。

皮膚による引き上げは元に戻りやすいと書きましたが、今でもこの方法で行われているクリニックはあります。

なぜこの方法が生き残っているのでしょうか?