美容外科クリニックの経営その1
美容外科クリニックは開業ブームです。
美容外科単独で開業するケースもありますが、ほかの科で開業したついでに美容外科も、というパターンがとても多いようです。
その場合ほとんどが美容皮膚科で、ついでの美容外科開業例はほとんどありません。
ここでお話しするのは、「手術」を主体に美容外科クリニックを開業する場合の経営についてです。
開業形態によって次のパターンがあります。
1勤務医:ほかの美容外科医が開業しているクリニックに雇われていて、開業医とは違いますが、ほかの開業スタイルとの比較のために上げました。サラリーマンと同様収入は安定しているといえますが、治療方針についてはオーナーの考えに従わないといけないので、ある意味医師としてはかなりの制限があります(医師は本来治療方針にはかなりの裁量権をもっている)。
2個人開業医:いわゆる開業医はこの形態が最も多いと考えられます。ビジネス用語でいえばself-businessのオーナーといえます。治療方針については、基本的に自分で決めることができさらに美容外科は自由診療なので、かなりの自由度があたえられます。
3グループ開業医:個人開業よりも規模を大きくして、同じレベルの美容外科医数人がグループを作って開業する場合。数人の美容外科医を雇う場合もある。美容外科医それぞれの得意分野を生かしながら、グループ全体として様々な患者さんの要望に応えることができる。
4チェーン店方式の美容外科オーナー:全国に10以上の分院を展開し、たくさんの医師を雇って診療を行っているクリニックの実質的オーナー。オーナーは実際の診療をすることはほとんどなく、仕事の主な内容は経営のマネージメント。クリニックとしては特殊な形態ですが、ビジネスの世界では本当のbusinessオーナーと考えられます。
勤務医については、経営にかかわることは少ないと思いますので2番以降にフォーカスをあてて話していこうと思います。
まず「個人開業医」について
一国一城の主になりますから、診療方針も自由に決められる反面すべての責任も一心に背負うことになります。自分が働かなければクリニック経営はたちまち立ち行かなくなります。
診療業務の軽減はほかの美容外科医を雇うことである程度までかなえられますが、もしクリニックの規模拡大を考えたとしても、ほかの美容外科医に全面的に手術を任せることができない(個人開業医は手術に自信がある美容外科医が多い)のでどんなにがんばっても一人の美容外科医が1日でできる手術、カウンセリングがクリニック規模の限界になります。
グループ開業医、チェーン店のオーナーについては次号以降で