修正手術を考えるときに 2
修正手術を考えるとき、2回目が一番重要であることを書いています。
その2つ目の理由です。
これは患者さんよりも医師側に考えてもらいたい問題かもしれません。
2回目の修正は、最初の執刀医にお願いする患者さんが多いと思います。
執刀医も「あーわかりました、やっときますねー」
と以外に軽く引き受けます。
患者さんも「ちょっと気に入らないだけだから簡単に良くなるよね」と自分に言い聞かせます。
ここに落とし穴があります。
一般的に手術には「シーソー効果」というものがあります。
「シーソー効果」とは手術によってある効果がでると別の部分に望まない効果が出てしまうことをいいます(私の造語です)。
具体的に言えば、鼻をすっきり見せるために鼻を高くする手術をしたとします。
結果鼻筋が通ってすっきり感が出ますが、逆に高くなったことで鼻が妙に目立って気になるかもしれません。
そうすると患者さんには、「すっきりした」という成功体験はすっかりなくなってしまって、「高くて目立ってしまった」ことだけが強く印象に残ります(実際にこういう患者さんは驚くほど多いのです)。
そこでその結果に我慢できない患者さんは高くしすぎたのだから低くすれば満足できる、と考えます。
ところが安易に低くすると最初の一番大事なすっきり感が損なわれるということが起きることになります。
1回目の修正手術でこうなってしまうと「前のほうがましだった」となってそこから修正地獄が始まるのです。
そして最初の執刀医にたいする信頼感もなくなって全国クリニックめぐりが始まります。
そのあたりの事情をよく理解している医師に偶然当たればまだ回復できるチャンスもあるのでしょうが、迷える子羊を食い物にするクリニックにあたった日にはもうリカバリーは不可能になってしまいます。
ではそれを防ぐにはどういった点を気を付ければいいのでしょうか。
答えは次号で