美容外科手術でトラブルを避けるために6
何回かに分けて書いてきました「フェイスリフト騒動」の顛末でした。
結局その騒動の原因は、患者さんの期待していたイメージと我々が持っているイメージの大きなずれでした。
患者さんの「術後の満足」が美容外科手術の成功である以上、このフェイスリフトは失敗、ということになります。
私自身がまちがっていた、ということです。
医学的手術的に落ち度がない手術で、そこそこ結果が出ていて後遺症など一切なく大部分の人が成功と思っても、です。
いいですか・・これが美容外科の厳しい面です。
I said to myself, this is the buisiness we’ve chosen.(The Godfather Part2)
これから美容外科を目指す若い医師の皆さん、これがあなたたちが選ぼうとしている美容外科というビジネスです。
つまり、いくら自分が正しいと思って行った診療行為でその結果が出せたとしても患者さんの期待している術後のイメージと違えば、それは間違いだということです。
つらい修行の末にやっと身に着けた手術手技でいい結果を出せるようになったとしても、患者さんの期待と違えばそれはだめなのです。
逆に、ちょっとこれは我々が常識で考えて間違っている診療行為でも患者さんがその結果に満足していれば多くは成功となります。
そうやって美容外科医としての評価がなされるのです。
どうですか?理不尽だと感じますか?
まじめなお医者さんほど「やっぱ美容外科は嫌だな」と思うかもしれませんね。
他の科でこんな形で医師としての評価がなされる科はないです。
反対にそんな細かいこと考えない図太い神経の医師ほど今の美容外科に向いているのかもしれません。
そんな現実に対して私の意見や提言を次回以降に書いていきます。