美容外科手術でトラブルを避けるために7
美容外科のある意味理不尽なところを書いてきました。
このブログを読んでいただいているこれからの美容外科医に、共感してくれる医師がいることを期待して書いています。
私は患者さんの期待している結果やイメージを実現化することが美容外科医の使命である以上これに真正面から対応していくことが正道だと思っています。
ただしいろいろなやり方があり、私の考えもそのうちの一つに過ぎないと思っています。
トラブルを避けるために二つの面から考えていきましょう。
一つは、医師自身の面から。もう一つは患者さんとの関係という面から。
患者さん側に問題があることもありますが、患者さんに考えを変えてもらうことは現実的ではありませんのでそこはスルーしましょう。
1医師自身の面で考えること
大前提として手術手技が確立していることがあります。
とくに基本的な手術手技です、これが不安定で自信がないとなるとトラブルを避けようと思っても無理です。
難しいことではありません。
組織を丁寧に扱うこと、解剖学的な知識が十分あること、縫合の基本ができていること、などです。
どれも研修期間の2年間に身に着けることができるものばかりです。
完全ではなかったにしても、研修期間が終了した段階からでも常にブラッシュアップしていかなければならないし、心がけ次第でできます。
要は、いつもこのことを忘れないようにしておくことです。
初めての手術に臨む場合は、いつも事前に解剖を確認する癖をつける、というちょっとしたことですが、これは習慣ですので研修医の時からこころがけましょう。
縫合も常に層を合わせることを意識していれば、縫合のない手術はありませんのでいつでもブラッシュアップできます、要は日ごろの心がけ次第です。
鑷子で強く皮膚をつかまない、などは息をすることぐらい日常的なものとして心がけることです。
簡単なことですが、案外できていないドクターを見かけますし、修正などで来院された患者さんを拝見すると、あぜんとすることがあります。
乱暴な扱いを受けた傷は皮膚表面 皮下にかかわらず厚い瘢痕ができます。
こういったことができないで、いくら小手先のことでトラブルを避けようと思っても、ざるで水をすくうようなもので無駄な努力です。
もしこういったことが不安であれば、形成外科研修をもう一度どこかでするか、教科書を見直してください。
教科書は、初歩で読んだ時よりもある程度経験を積んでから読んだ方がその価値がわかることが多いですし、そういった教科書が優れたものともいえます。
安定した手術手技が身についてることができていれば次の段階に移りましょう。