美容外科手術でトラブルを避けるために29
これから鼻中隔延長術をマスターするのに必要なことを書いていきます。
延長の受け手としてまず鼻中隔軟骨を適切に用意することが重要です。
一般に軟骨には軟骨固有膜があります。
これが軟骨を栄養していますが、かなり強固に軟骨と一体化しています。
これを丁寧に剥離することが重要です。
何故なら軟骨とこの軟骨固有膜の間に移植軟骨を移植したいからです。
軟骨固有膜は比較的硬い膜ですので、この下に移植軟骨を置くことで軟骨が安定します。
ところがこれを鼻中隔軟骨尾側端から頭側に向かって剥離するのは存外難しいのです。
鼻中隔延長術を少し経験してみるとわかると思いますが、頭側に剥離すると知らない間に剥離層が浅くなって軟骨膜上を剥離してしまうことになります。
耳鼻科のようにある程度頭側から剥離するとこのようなことが起こりにくいのですが、鼻中隔延長術をしようと思うと鼻中隔軟骨尾側端から剥離する必要がありとたんにむずかしくなります。
耳鼻科の先生とこの剥離について話をすると耳鼻科の先生は「こんな簡単なことができないの」と言わんばかりになるかもしれませんが、戦っている土俵が違うので決して卑屈になる必要はありません。
逆にこの難しさをちゃんとわかっていて話ができる医師であればその相手はそこそこ鼻中隔延長術についてわかっていると判断できます。