美容外科手術でトラブルを避けるために37

鼻中隔延長術(SEG)の肝、移植軟骨の固定法です。

業界の中では固定法に関していろいろな方法が「試されて」いますが、安定した結果をだしそれを持続させることを主眼におけば、「実験的」な方法ではなくオーソドックスな方法をお勧めします。

まだ確立した方法があるわけではないので私の方法が一番いいと断定できませんが、少なくとも同じ方法で10年以上行ってきてそのフォローアップをして固定に関して信頼に値する方法であることは確認しています。

SEGの最初に書きましたように、鼻の手術の柱となるこの手術では失敗は許されないことと長期間安定していること、術後に再度移植軟骨にアプローチする必要があっても扱いやすい状態を保っていること、など厳しい条件を満たしていることが大事になります。

したがって、「ちょっと医学的に面白そうだから」とか、「簡単だから」とかの理由でいろいろな方法を試すことは自殺行為でやめた方がいいと思います。

自分で術後どんな状況になっても責任をもって対処できる自信があるのであればともかく、これから美容外科で鼻の手術を始めていこうとか鼻の手術をやり始めて5年以内のドクターであれば、一つの安定した方法でしっかり術後のフォローアップをしてその結果自分なりに信頼のおける軟骨固定法を身に着けることが肝要と思われます。

それを踏まえて私の軟骨固定法は、オーソドックスな方法で2枚の移植軟骨で鼻中隔軟骨を挟むやり方です。

前回に書いた方法で両側の耳介軟骨を半分張り合わせたものを張り合わていない部分で鼻中隔軟骨をはさんで6~8針ナイロン糸で固定します。

固定終了後は、少々これを押そうが引こうがびくともしないぐらいがちがちに固定されていることを確認します。

この方法で起こることについて次回にもう少し詳しく書きます。