重瞼術の修正術1
上まぶたの修正手術を希望される患者さんのなかで、目を閉じても二重の食い込みがあってわざとらしいから困る、という訴えを時々聞きます。
普通に目を閉じた状態だと、いくらくっきり二重の人でも二重のラインは消えます。それが普通です。
二重を作る手術の後にそれが消えないというのは、手術のどこかが違っているということになります。
どうしてこのようなことが起きるのかを考えるときに、上まぶたの解剖を理解することが重要です。
上まぶたは、厚さ2-3mmのうすいものですが、はっきりしたものだけでも11層ほどに分けられます。
粘膜側から、結膜、ミューラー筋、挙筋腱膜、挙筋、眼窩脂肪、隔膜、隔膜前脂肪、眼輪筋、皮下脂肪、皮膚といったところです。
挙筋腱膜などはさらに3層ほどに分かれるといわれていますし、隔膜前脂肪なども1層ではありません。
これらの層が全部くっついていて同じように動く、つまり開瞼動作で一斉に同じように動くわけではありません。
特に挙筋腱膜と他の層の動きとの間にずれが生じているといろいろな問題が起きてきます。
その現象は、最終的に皮膚にあらわれることで気づくようになります。
こういった解剖の知識をもつことで、なぜこのようなことが起きるのかが理解しやすくなります。
それにしてもこういったことを考えるきっかけを与えてくれるのは、手術後の患者さんの訴えしかありません。
患者さんにはつらいことかもしれませんが、我々にとっては貴重な訴えなのです。