他山の石

トヨタ自動車のニュースが続いています。

去年はあれほどいい話題の中心だった「プリウス」ですが、ここのところ逆風が吹きっぱなしのようです。

ハイブリッドカーはとても素晴らしい車ですが、ちょっと販売方針で無理があったのかな~と思います。

あれだけの最先端技術の結晶のような車ですが、コストをぎりぎりまで抑えることで200万円前後の値段で買えることが消費者には魅力なのでしょうが・・。

ブレーキ問題の一件の経緯を見ていると、トヨタ自動車側と消費者側の認識のギャップを感じざるを得ません。

トヨタとしてはぎりぎりのコストで作っているプリウスにこれ以上の改善は無理だと考えている様子がうかがえます。致命的な欠陥でもない限り積極的な解決策を打ち出すのに躊躇しているようです。

私はトヨタの姿勢を非難するつもりは毛頭なくむしろ同情に近いものを感じています。

ハイブリッドの心臓部といわれる電池の開発の人の苦労話を直接伺ったことがあるだけに、あの価格設定はいくらなんでも・・というのが正直な感想でした。

あれだけの技術を備えた車なら(こういったケースも想定して)もう少し余裕のある価格設定をしてもよかったのに・・、と思います。

消費者はとにかく安ければいい、と考えがちですが、一番大事なもの=安全を安売りしてはいけません。

さらに、エコカー減税の名のもとの安売りキャンペーンで生産が追いつかない、世界へ販売網と生産拠点を広げすぎてしまった、などもトヨタの優れた品質管理を知らず知らずのうちに蝕んでしまったのだと思います。

美容外科医として私は、このことを他山の石とすることで地元の企業に対するせめてもの応援になればと考えています。