秋の記憶
すっかり秋が深まってきました。朝、犬の散歩をしていますと「金木犀」の香りをそこかしこに感じることができます。
金木犀のにおいをかぐと今から30年前の車の免許を取ったばかりのころを思い出します。
そのころは今の若い人には想像もつかないかもしれませんが、18歳になったらとにかく車に乗りたくて免許を取ったものです。
18歳の夏に免許を取り、古い中古車を手に入れ、初めて一人で車の運転をしたのがこの季節だったのです。
いきなり運転するのがすこしこわかったので、やたら早起きをして練習していました。そのとき窓から流れこんできた香りがこの金木犀だったのです。少しひんやりした空気にこの香り。何年経ってもこの記憶は消えることがないでしょう。
ところがこの金木犀、芳香剤メーカーがとったアンケートでは圧倒的に「トイレ」を連想する人が多いそうです。その結果、今は部屋の芳香剤で金木犀はつくっていないそうです。
私はどちらかというと「ラベンダー」がトイレを連想させます。これは2位だそうです。これもきっと消えることのない記憶になってしまっているのでしょう。残念です。
最近クリニックの待合室の香りを「ユーカリ」と「ラベンダー」に変えました。これはとても癒されます。
においは記憶に非常に強く結び付いていますが、音楽も同じです。私の場合、この季節の記憶にぴったりかさなる曲は荒井由美の「さざ波」です。高校生の頃の秋にすぐにタイムスリップできます。