切開式重瞼術での重瞼ライン作成その2
続き
次に重瞼ラインを作成するために、皮膚を挙筋腱膜に固定した場合です。
今はどちらかというとこちらのほうが一般的です。眼瞼下垂の手術に慣れている術者が多くなったからかもしれません。
眼瞼下垂手術との違いは、挙筋腱膜をほとんど前転しないのでこれを瞼板に固定せずに直接皮膚に縫いこんで重瞼ラインを作成します。
しかしこの方法だと睫毛・ライン間の皮膚が眉毛方向に強くけん引される可能性があります。その結果、睫毛外反(睫毛が立ってその付け根の裏側の白いラインが見えてしまう)が起きます。
また挙筋腱膜が短いと、目を閉じたときにも重瞼ラインが消失しません。
これらの現象は、切開式重瞼術の術後で最も多い患者さんの訴えのひとつです。
これを予防する方法として、挙筋腱膜を瞼板に固定することが有効と考えています。
実はこの方法は、2002年のaesthetic surgery journal に Robert Flower先生が発表されています。Flower 先生についてはこちら。
ただし、先生は外側は瞼板の高さが足らないので、挙筋の固定はしないと書いていますが、私はそんなことはなくてむしろ内側の瞼板のほうが高さが不足しているということと、外側は固定すると挙上されすぎるので固定しなほうがいい、と考えています。
手術手技は結果的に先生と同じことなのですが、途中の考え方(見方?)がちがうのではと思っています。