まぶたの修正手術の成績を安定するために

夏休みのせいもあるかもしれません、修正手術の相談が増えていますが、多いのはやはり「まぶた」と「鼻」です。

今回は「まぶた」の修正手術について私の考えを述べたいと思います。

修正手術には、前回の手術の影響を考慮するのはもちろんですが、もともとの瞼がどのような状態であったか、といったことも併せて考えなければならず、そうすると患者さんによってその状態にバリエーションが多すぎて、手術の方針すら立たず途方に暮れてしまうこともあります。

いろいろな患者さんの修正手術を経験することで、一番大事なのは挙筋腱膜の状態をしることである、ということに気付いたことは今までの記事にも書いてきました。

挙筋腱膜はまぶたの動きの原動力である上眼瞼挙筋のパワーを瞼に伝える非常に重要な働きをする腱様の膜です。

そして二重を考えるときにもこの挙筋腱膜の状態がどうなっているのかが重要になります。

「まぶたの粘膜・瞼板=眼瞼後葉」と「まぶたの皮膚=眼瞼前葉」にバランスよく上眼瞼挙筋のパワーが伝わっていることが正常な二重を作るうえで重要になります。

ところが修正手術を希望して来院される患者さんはここがうまくいっていないことが多いのです。

後葉よりも前葉のほうにパワーが偏っていると、まぶた全体は「下垂気味」、まつ毛は「外反気味」、二重のラインは食い込みが強め、といった状態が見られます。

逆に前葉よりも後葉にパワーが偏っている場合、まつ毛に皮膚が乗っかり気味、したがってまつ毛から二重の皮膚がたるみがち、二重のラインはゆるく場合によってはラインの消失がみられます。

こういった点についてカウンセリングの時に注意深く観察することで、実際は手術をしなければ直接観察することができない挙筋腱膜の状態を推し量ることができます。

ここがわかれば、挙筋腱膜を瞼板固定することも、切開創をどのように腱膜に固定すればいいか、おのずと答えが出てきます。

このことについて気を付けながら手術することで修正手術の成績を安定することができます。